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2 0 1 8年 5 月 2 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
都市ガス各社の格付見直しについて
日本格付研究所(JCR)は都市ガス各社の格付を見直し、結果を公表しました。今回の見直しにおける主
な格付の視点は以下の通りです。個社の格付事由は18-D-0120~18-D-0125をご参照ください。
■格付の視点
(1) JCRは都市ガス6社(東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、北海道ガス、広島ガス、西部ガス)の格付を見直
した結果、全社の格付を据え置き、格付の見通しも全社従来通りとした。
(2) 都市ガスを含む公益事業者の格付においては、政府による規制と保護の下での事業基盤の安定性を重視し
ており、この視点は 17 年 4月の都市ガスの小売全面自由化以降も変えていない。ガスシステム改革の進
展によって規制範囲が縮小している一方、格付に影響を及ぼすほどのインパクトは生じていない。ただし、
家庭用の都市ガス小売事業への新規参入動向には地域差がある。今後は、改革の進展による事業基盤への
影響、新規参入者との競争状態など、状況の変化を各社別かつ実態的に捉え、格付に反映していく方針で
ある。
(3) 新規参入者のある地域では、家庭用で需要離脱が発生している。ただし、離脱件数の水準や、他方で電力
小売事業の拡大を勘案すれば、現状では需要離脱による都市ガス会社の利益への影響は限定的とみている。
新規参入者は実質的に地元の電力会社(およびその提携事業者)に限られているが、参入した電力会社は
原料調達も含めた事業展開力を有し、また財務体力において都市ガス会社を上回る。競争環境の変化によ
り料金値下げ圧力が高まる中、都市ガス会社が構築してきた収益基盤の維持には、価格以外のサービスの
強化が求められる。ガス機器の保安業務などで顧客と直接の接点があることは、都市ガス会社にとって営
業面で最大の強みであり、これを活用した顧客基盤維持の取り組みとその成果が注目される。
(4) 一部の都市ガス会社では、海外エネルギー事業や国内の電源投資など、事業ポートフォリオの多角化に向
けて短中期的に高水準の投資を予定しており、有利子負債の増加が見込まれる。ただし、期間利益による
自己資本の蓄積もあって、財務構成の悪化は回避できると想定している。大型投資については、その投資
に見合ったキャッシュフローを獲得できているか、中長期的な観点で確認していく。また、各社とも、引
き続き幹線投資を含めた導管網の整備・拡張を進める方針である。エネルギー自由化の環境下で顧客基盤
の厚みを確保するため、新規導管網周辺の需要開発は各社共通の課題であり、その進捗にも注目している。
(5) システム改革の進展によって競争環境が変化する中、原料調達、電源開発、都市ガス・電力の販売、各種
サービスの提供など様々な分野で、業種を超えた多様な企業とのアライアンスが実現している。アライア
ンスの活用によりバリューチェーンの中流・下流分野での競争力を強化し、顧客基盤の維持・拡大を図る
動きは、今後強まっていくとみている。都市ガス業界では導管網の制約から、小売分野では、地域別かつ
限られたプレーヤー間での競合にとどまっていたが、足元では自社が導管網を持つ地域以外での都市ガ
ス・電力の販売に向けて合弁会社を設立する例も現れている。こうしたアライアンスの成否は、各社の将
来の収益に影響を及ぼす可能性があり、中長期的な観点からその動向をフォローしていく。
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■NRSRO 登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(N ationally Recognized Statistical Rating Organization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の4クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■本件に関するお問い合わせ先